アジア大陸のほぽ中央に位置し、北にトルクメン・ウズベキスタン・タジェク・西はペルシャ・インド・中央アジア・中国と接した内陸地、東西文明の交路としてさまざまな民族の移住や、侵略が繰り返しされ、複雑な性格を持った土地でもあります。
絨毯作りは定かではありませんが、数世紀前より生活、必要品として織り始められ第2次世界大戦以後、世界に広まりました。 アフガニスタンの絨毯は、縦糸も横糸も手紡ぎの羊毛などで、草木染めなのが特徴です。
品質は マウリ、プハラ、サルークなど、等9ランクぐらいあり、赤褐色。八角形の紋章を主体とした、ゴル文様、花柄や幾何柄が組み合わさった文様(村や部族によって特徴があります)が黒(紺)や白やエンジ色で描かれたものが多く見られます。
遊牧民等の貴重な財産である羊、馬、駱駝などの毛を原材料として、優れた技術と多大な労力、時間を費やして織り上げられたキリムやカーペットは、その家の富の象徴であり、貴重な財産のひとつでした。
遊牧民により生活必要品として、古くより受け継がれた独特な模様や、魅力的な色使い、実用的に使うだけとは思えない美しさは、部族としての誇りを感じます。
部族の健康や繁栄、平和の願いを込めて、祖母から母、娘へと何百年も伝えられ、丁寧に織られた絨毯からは、彼らの思いが伝わってくるようです。
人間味溢れる絨毯として、欧米には非常に高い人気を得ていますが、日本と直接交易がないため、第3国経由でしか入手出来ません。
多くのアフガニスタン人が難民となり、国境を越えて避難先でも絨毯の文化は生き続けているようですが、生産人口は減少しているようです。